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空き家を放置すると、結局いくらかかる?——年々膨らむ3つのコスト配信日:

空き家は「置いておくだけ」で年々高くつく——放置で膨らむ3つのコストの正体

実家を相続したものの、すぐに住む予定も売る決心もつかず、とりあえずそのままにしている——。八ヶ岳西麓(茅野市・原村・富士見町)で空き家のご相談を受けていると、この「とりあえず」が最も多い入口です。

困るのは、空き家は何もしなくても勝手に静かでいてくれるわけではない、という点です。鍵をかけて閉めておくだけのつもりが、時間が経つほど負担が積み上がっていく。今回は、その「放置で膨らむコスト」が具体的にどう積み上がるのかを、3つに分けて整理します。


空き家を放置すると、結局いくらかかるのですか?

「持っているだけ」でも、固定資産税・建物の劣化・近隣対応という3種類のコストが、年々重なって増えていきます。 やっかいなのは、これらが別々ではなく連動して大きくなる点です。

一つずつ見ていきます。

コスト① 持っているだけで出続ける税負担

空き家でも、土地と建物には固定資産税(と都市計画税)がかかり続けます。使っていなくても毎年の納税通知書は届く、払えば終わる費用——に見えます。

注意したいのは、管理が行き届かず「特定空家」や「管理不全空家」と判断された場合です。空家対策特別措置法では、勧告を受けるとこうした空き家は住宅用地の税軽減特例(小規模住宅用地で固定資産税の課税標準を6分の1にする措置など)の対象から外れる仕組みがあります。放置の結果として税負担が重くなることがある、ということです。

ただし「放置するとすぐ6倍になる」という脅しではありません。市町村の助言・指導・勧告という段階を経た上での措置で、運用は自治体によって差があります。ご自分の物件がどの段階にあるかは茅野市・原村・富士見町それぞれの窓口で確認するのが確実です。知っておきたいのは、動かないでいると税の前提条件そのものが変わりうる、という点です。

コスト② 人が住まない家は、想像より速く傷む

家は人が住んで風を通し、水を流すことで保たれています。誰も住まなくなった家は換気されず湿気がこもり、傷みが加速します。

標高が高く冬の冷え込みが厳しい八ヶ岳西麓では、これがより顕著です。冬期の水抜きをせずに放置すれば配管が凍結して破裂し、春に通水して初めて漏水に気づく——現場では珍しくありません。屋根の雪、凍結と融解の繰り返し、結露。寒冷地の空き家は、暖かい地域より速く弱る側面があります。

劣化は気づいたときには進んでいます。傷んだ家ほど再生も解体も費用がかさみ、早ければ住宅として再生できたものが、数年の放置で解体しか道がなくなることもある。放置した時間が、そのまま将来の出費に変わっていきます。

コスト③ 近隣との関係に効いてくる負担

3つ目は金額に直接表れにくい、けれど見落とせないコストです。

雑草の繁茂、樹木の越境、雪の落下、動物の侵入、防犯上の不安。空き家が傷むほど、これらは隣家や区(地域の自治組織)への影響として表れます。八ヶ岳西麓は区が今も実態として機能している地域で、除雪の連携や水路の管理など、暮らしを共同で支えている部分が多く残っています。連絡の取りづらい遠方所有者の空き家が傷んだまま放置されると、その負担が地域の側に回ってしまう。

「迷惑をかけるな」という話ではありません。共同で暮らしを支える構造の中では、空き家もその構造の一部として見られる——逆に言えば、早めに相談して状態を整えておけば、地域との関係も穏やかに保てます。


3つのコストは別々ではなく、連動して大きくなる

空き家放置の本当のこわさは、3つのコストが別々ではなく「複利」で重なっていく点にあります。 一つの放置が次の負担を呼び込むからです。

順を追うと、こうなります。まず建物が傷む(②)と、再生か解体かにかかる費用が増える。傷んで管理も行き届かなくなる(②③)と、特定空家・管理不全空家の判断に近づき、税の前提が変わりうる(①)。地域への影響が出る(③)と、いざ動こうとしたときに調整へ時間がかかる。そしてどの一手も、放置の年数が延びるほど後戻りしにくくなる。コスト同士が手をつないで、年を追うごとに全体が膨らんでいく——これが「とりあえず」にしておくことの正体です。

逆に言えば、連鎖は早い段階なら止められます。住める状態のうちなら再生という選択肢が残り、解体一択にはなりません。税の前提が変わる前なら、落ち着いて売却や活用を検討できる。地域へ影響が出る前に一声かけておけば、関係も穏やかに保てます。放置で失われていくのは金額だけでなく、選べる道の数そのものなのです。

朝倉所見

私が現地でまず見るのは、建物そのものよりも「水と冬がこの家にどう効いているか」です。寒冷地の空き家は、外から見て無事に見えても、配管や床下が静かに傷んでいることがある。逆に、冬の水抜きと最低限の換気がされてきた家は、築年数が経っていても再生の目が十分に残っています。

不動産鑑定士として査定をしていると、「もっと早ければ住宅として動かせたのに」という物件に何度も出会います。値がつくかどうかを判断する前に、まず一度状態を見せていただきたい——いつもそうお伝えしています。


空き家は、置いておくほど身軽になるものではなく、置いておくほど判断が重くなるものです。とはいえ、いきなり「売る・解体する」と決める必要はありません。まずは今どの段階にあるのかを把握するところからで十分です。

茅野市・原村・富士見町の空き家について、状態の把握や今後の選択肢の整理は、八ヶ岳ライフの空き家相談(yatsugatake-akiyasoudan.com)でお気軽にご相談ください。価格の目安を知りたい場合は、1分無料査定(naganokantei.net)もご利用いただけます。

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朝倉 宏典

朝倉 宏典

八ヶ岳ライフ株式会社 代表 /
不動産鑑定士

長野県茅野市出身。2012年に地元密着の不動産会社「八ヶ岳ライフ」を設立。不動産の適正価値を見極める国家資格「不動産鑑定士」を保有し、年間300件以上の相談実績を持つ。特に八ヶ岳エリア(茅野市・原村)において、他社では取り扱いが難しい空き家や放置物件の再生・買取に力を注いでいるのは、「不動産を通じて故郷に貢献したい」という想いがあるからです。Youtubeでも、相続した空き家・土地・畑などの処分や活用に関する役立つ情報を発信しています。地元出身者ならではのネットワークと専門知識を活かし、皆様の「空き家」にまつわる不安を解消し、次世代へつなぐお手伝いをいたします。

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