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空き家の防犯リスクの正体は「見る人がいなくなる」こと——鍵よりも先に切れるもの配信日:

空き家の防犯リスクの正体は「見る人がいなくなる」こと——鍵よりも先に切れるもの

相続した実家を空けたままにしている方から、「防犯が心配で」というご相談をいただくことがあります。八ヶ岳西麓(茅野市・原村・富士見町)で空き家の現地を見てきた立場から先にお伝えすると、心配すべきは「鍵が破られること」よりも手前にあります。誰もその家を見ていない状態そのものです。

空き巣のような劇的な出来事は、実際にはそう多くありません。代わりに起きるのは、もっと静かで小さな侵入の積み重ねです。今回は、放置された空き家に実際に何が起きるのか、そしてこの地域ならではの「守られ方」の違いを整理します。


空き家を放置すると、防犯上は何が起きるのですか?

最初に起きるのは侵入ではなく、「異変に気づく人がいなくなる」ことです。 窓ガラスが一枚割れても、郵便受けがあふれても、敷地に物が置かれても、誰も気づかない。この「気づかれない状態」が続くこと自体が、次の問題を呼び込む条件になります。

現地で実際に多く見るのは、次のようなものです。

  • 動物の侵入。ハクビシン・ネズミ・スズメバチ。屋根裏や床下に入り込み、糞害や営巣が進みます。人の出入りがある家には起きにくいことが、無人の家では数か月で起きます
  • 郵便物・チラシの滞留。あふれた郵便受けは「この家は誰も来ない」という表示になり、不法投棄や無断駐車を招く入口になります
  • 敷地への不法投棄。一度ゴミが置かれると、そこは「捨ててよい場所」と認識され、繰り返されます
  • 火災リスク。枯草の繁茂、放置された可燃物。冬の乾燥期、周囲の家にとっても他人事ではありません

どれも一つひとつは小さな話です。けれど共通しているのは、「見ている人がいれば初期で止まる」性質のものだという点です。防犯の本質は設備ではなく、目です。

集落の中の空き家と、別荘地の空き家では、リスクの出方が違いますか?

違います。区(集落)の中にある空き家は、実は「近所の目」という防犯機能がまだ働いていることが多いのです。

八ヶ岳西麓の集落部では、区の役員さんや隣の畑に通うお隣さんが、空き家の様子を何となく見てくれています。「最近ガラスが割れているよ」「敷地に車が停まっていたよ」——こうした連絡が、県外の相続人に届くことは珍しくありません。地域のつながりが、費用ゼロの見回りとして機能しているわけです。

一方、管理の手が薄い別荘地や、周囲も空き家が増えた区域では、この目がありません。異変が発見されるのが年単位で遅れ、気づいたときには対応の選択肢が減っている——というのが典型的な経過です。

ただし、集落の目に甘え続けることはできません。冬は水抜きをしていない家の凍結破裂、雪の重みでの雨樋の破損など、外からは見えない異変も起きます。年に数回でも人が入り、通水・換気・敷地の確認をする。それが難しい距離にお住まいなら、その事実自体が「持ち続けるか、動かすか」を考える材料になります。

朝倉の所見——「守られている空き家」と「そうでない空き家」の分かれ目

査定でうかがうと、同じ築年数・同じ放置年数でも、状態がまったく違う空き家があります。分かれ目は立地でも建物の質でもなく、その家がまだ地域の視界の中にあるかどうかです。区の付き合いが続いている家は、雨戸が外れれば連絡が来て、早く手が打たれている。連絡の糸が切れた家は、小さな異変が積もったまま数年が過ぎている。防犯設備の差ではなく、つながりの差です。だからこそ私は、空き家のご相談を受けるとき、建物より先に「区とのやり取りは今どうなっていますか」とうかがうようにしています。

遠方に住んでいて見に行けない場合、まず何をすべきですか?

まず、区や近隣との連絡先を切らさないこと。次に、年に数回の現地確認の手立てを確保することです。 そのうえで、通える見込みが立たないのであれば、「管理し続ける」以外の道——売却・自社買取・再生——を早めに検討する価値があります。異変に気づく人がいるうちに動くほうが、選択肢は多く残ります。

売却まで含めた道筋の全体像は、八ヶ岳ライフの売却総合サイトでも整理しています。「まだ売ると決めていないけれど、このままでいいのか気になる」という段階のご相談も承ります。

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朝倉 宏典

朝倉 宏典

八ヶ岳ライフ株式会社 代表 /
不動産鑑定士

長野県茅野市出身。2012年に地元密着の不動産会社「八ヶ岳ライフ」を設立。不動産の適正価値を見極める国家資格「不動産鑑定士」を保有し、年間300件以上の相談実績を持つ。特に八ヶ岳エリア(茅野市・原村)において、他社では取り扱いが難しい空き家や放置物件の再生・買取に力を注いでいるのは、「不動産を通じて故郷に貢献したい」という想いがあるからです。Youtubeでも、相続した空き家・土地・畑などの処分や活用に関する役立つ情報を発信しています。地元出身者ならではのネットワークと専門知識を活かし、皆様の「空き家」にまつわる不安を解消し、次世代へつなぐお手伝いをいたします。

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