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空き家の特例が外れたら、固定資産税はいくら?——集落の広い家は2倍台【茅野市・原村】配信日:
空き家の特例が外れたら、固定資産税はいくら?——集落の広い家は2倍台【茅野市・原村】
「空き家を放っておくと、固定資産税が6倍になる」。相続した実家についてご相談を受けると、この言葉を先に聞いてこられる方が少なくありません。けれど、知りたいのは一般論ではなく、「うちの家なら、年にいくら増えるのか」のはずです。
先に答えを書くと、茅野市・原村の集落にあるような敷地の広い家では、特例が外れても土地の税は2倍台にとどまることが多いです。6倍という数字が当てはまるのは、計算の土台のいちばん極端な部分だけで、敷地が広いほど倍率は下がります。
この記事では、手元の課税明細書の数字を使って、ご自分の家で試算できる手順を、例を挙げて整理します。
この記事で分かること
- 敷地の広さで、倍率がどう変わるか
- 600㎡の敷地を例にした、実際の金額の試算
- 敷地が「家の床面積の10倍」を超える家での注意点
- 解体したときに、税の差し引きがどうなるかの確かめ方
住宅用地特例が外れると、なぜ土地の税が上がるのか?
家が建つ土地は、税を計算する土台が評価額の6分の1・3分の1に縮められています。特例が外れると、その土台が評価額の7割を上限に戻るからです。
人が住む家の敷地には「住宅用地特例」があり、計算の土台(課税標準)は、敷地のうち200㎡までの部分が評価額の6分の1、200㎡を超える部分が3分の1です。市から勧告を受けたまま1月1日を迎えたときや、家を解体して更地にしたときに、この特例は外れます。
外れたあとの土台には「評価額の7割」という上限があるため、6倍にはなりません。200㎡までの部分で最大約4.2倍、200㎡を超える部分で最大約2.1倍です。税に響く時期と措置の流れは、特定空家の指導が届いたら、税はすぐ上がる?で書きました。
敷地の広い家では、税は何倍になるのか?
敷地が広いほど倍率は下がり、最大でも600㎡で約2.5倍、1,000㎡で約2.3倍です。倍率は土地の単価に関係なく、敷地の広さで決まります。
200㎡を超える部分は、もともと最大約2.1倍にしかなりません。敷地が広い家ほど、その部分の割合が大きくなるので、敷地全体の倍率は下がっていきます。
| 敷地の広さ | 特例が外れたときの土地の税の倍率(最大) |
|---|---|
| 200㎡(約60坪) | 約4.2倍 |
| 330㎡(約100坪) | 約3.0倍 |
| 600㎡(約180坪) | 約2.5倍 |
| 1,000㎡(約300坪) | 約2.3倍 |
※敷地全体が住宅用地として扱われ、評価額の7割の上限で計算した場合。実際には、用途の変わった土地の土台は評価額の6〜7割の範囲に収まり、倍率はこの表以下になります。家の床面積の10倍を超える敷地は、後の節を参照。
町なかの分譲地なら敷地は50〜60坪ほどで、4倍に近い数字になります。一方、八ヶ岳西麓の集落の家は、母屋のまわりに庭や作業場、物置を抱えた広い敷地が珍しくありません。同じ「特例が外れる」でも、町なかの家と集落の家では、上がり方がまったく違います。
実際の金額で試算すると、年にいくら増えるのか?
評価額が1㎡1万円・敷地600㎡の家なら、土地の固定資産税は年およそ2万3千円から最大5万9千円へ、増える額は約3万5千円です。
仮の数字で、計算の手順を追ってみます(評価額の単価は例です。ご自分の家の数字は課税明細書で確かめてください)。
例:敷地600㎡、土地の評価額600万円(1㎡あたり1万円)
| 特例あり | 特例が外れたあと | |
|---|---|---|
| 計算の土台(課税標準) | 約167万円 | 420万円 |
| 計算のしかた | 200万円×1/6 + 400万円×1/3 | 600万円×7割 |
| 土地の固定資産税(税率1.4%) | 約23,300円 | 約58,800円 |
ご自分の家で試すときは、次の3つの数字を課税明細書から拾います。
- 土地の評価額(価格)
- 土地の面積と、そのうち「小規模住宅用地」「一般住宅用地」として扱われている面積
- いまの課税標準額
特例が外れたあとの土台は「評価額 × 0.7」、税はそれに1.4%を掛けた額が上限の目安です。いまの税額と比べれば、増える額が出ます。正確な額は、市村の税務の窓口で試算してもらえます。
なお、市から勧告を受けて特例が外れても、家が建っている限り、家屋の固定資産税はそのまま続きます。土地と家屋を合わせた税額で見ると、増え方はさらに小さくなります。
茅野市では、都市計画区域内の土地(農用地区域を除く)に都市計画税(税率0.2%)もかかります。都市計画税の特例は3分の1・3分の2と軽減の幅が小さいため、外れても上がり方は固定資産税よりずっと緩やかです。原村の扱いは、村の税務窓口で確かめてください。
家の床面積の10倍を超える敷地では、どうなるのか?
特例が付くのは家の床面積の10倍までです。それを超える部分はもともと特例の外にあるので、外れても上がり方はさらに小さくなります。
住宅用地として扱われる広さには、「家の床面積の10倍まで」という上限があります。床面積100㎡の家なら、住宅用地になるのは1,000㎡まで。敷地が1,500㎡あれば、残りの500㎡は、いまも住宅以外の土地として税がかかっています。
| 例:敷地1,500㎡、床面積100㎡、評価額1㎡1万円 | 特例あり | 特例が外れたあと |
|---|---|---|
| 計算の土台 | 約650万円(うち特例の外の500㎡分が350万円) | 1,050万円 |
| 土地の固定資産税 | 約91,000円 | 約147,000円 |
| 倍率 | 最大約1.6倍 |
また、同じ敷地の中でも、登記や課税の上で「畑」「山林」になっている部分は、住宅用地とは別に課税されています。家の特例が外れても、その部分の税は変わりません。集落の家の課税明細書を開くと、宅地のほかに畑や山林が並んでいることがよくあります。特例が関わるのは、そのうちの宅地の部分だけです。
解体すると、税の差し引きはどうなるのか?
家屋の税は消え、土地の税は上がります。どちらが大きいかは家によって違うので、課税明細書の家屋の欄と、土地の増える額を並べて確かめてください。
家を解体して更地にしても、住宅用地特例は外れます。一方で、家屋の固定資産税はかからなくなります。差し引きは、次の二つの数字で決まります。
- 消える額:課税明細書の家屋の欄にある、家屋の固定資産税
- 増える額:前の節の手順で出した、土地の税の増加分
木造の家屋の評価は、古くなっても新築時のおおむね2割を下回りません。床面積の大きい母屋や、付属の建物が多い集落の家では、家屋の税が年に数万円残っていることがあります。たとえば家屋の税が年3万円なら、600㎡の試算例(土地の増加は年約3.5万円)では、差し引きはほとんど変わりません。逆に、家屋の税が小さい家では、壊すと税の合計は上がります。
ただし、税の差し引きは、家をどうするかを決める材料の一つにすぎません。人の住まない家は、冬の凍結や雪で傷みが進みます。草木が道や隣地に伸びれば、区やお隣との関係にも響きます。そして、解体はやり直せません。壊すかどうかは、その家と土地をこの先どう使うか、誰に渡すかで決めるほうが、戻れない判断を避けられます(→〔⑤-C3 解体一択ではない選択肢へのリンク〕)。
茅野市・原村の空き家なら、当社は建物がある状態のまま、自社買取再生の形でご相談を受けています。課税明細書をお持ちいただければ、土地と家屋の税の見通しも含めて、査定の段階で一緒に整理します。
まとめ
住宅用地特例が外れると土地の税は上がりますが、「6倍」になるわけではありません。敷地が広いほど倍率は下がり、集落の広い敷地の家では最大でも2倍台にとどまることが多くあります。課税明細書の評価額に0.7と1.4%を掛ければ、ご自分の家の上限の目安が出ます。解体を考えるときは、消える家屋の税と増える土地の税を並べてから、家をどうするかを落ち着いて決めてください。
よくある質問
Q. 課税明細書のどこを見れば、特例が付いているか分かりますか? A. 土地の欄に「小規模住宅用地」「一般住宅用地」、または「住宅用地」と面積が書かれていれば、特例が付いています。書き方は市町村によって違うので、分からなければ税務の窓口で確かめてください。
Q. 土地の税額が少なくて、これまで固定資産税がかかっていませんでした。特例が外れるとどうなりますか? A. 同じ市町村の中で持っている土地の課税標準額の合計が30万円未満なら、土地の固定資産税はかかりません(免税点)。特例が外れて課税標準額が上がると、この30万円を超え、はじめて税がかかるようになることがあります。
Q. 年の途中で家を解体したら、その年から土地の税は上がりますか? A. 固定資産税は1月1日時点の状態で決まります。年の途中で壊しても、その年度は特例のままです。土地の税が上がるのは、壊したあとに迎える1月1日を過ぎた翌年度からです。
出典
- 住宅用地特例の率(200㎡まで1/6、200㎡超1/3)と、住宅用地の範囲が家屋の床面積の10倍までであること:地方税法第349条の3の2、同法施行令、各市の案内(長野市・浜松市・横浜市ほか)
- 勧告を受けた特定空家等・管理不全空家等の敷地の特例除外:地方税法第349条の3の2、空家等対策の推進に関する特別措置法
- 住宅用地以外の宅地(商業地等)の課税標準の上限(評価額の7割)と負担調整(6〜7割は据え置き):地方税法附則第18条、総務省資料
- 茅野市の都市計画税(都市計画区域内・農用地区域を除く、税率0.2%、住宅用地特例1/3・2/3):茅野市税条例
- 免税点(土地30万円):地方税法第351条
- 賦課期日(1月1日):地方税法第359条
- 木造家屋の経年減点補正率の下限(0.2):固定資産評価基準
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八ヶ岳ライフ株式会社 代表 /
不動産鑑定士
長野県茅野市出身。2012年に地元密着の不動産会社「八ヶ岳ライフ」を設立。不動産の適正価値を見極める国家資格「不動産鑑定士」を保有し、年間300件以上の相談実績を持つ。特に八ヶ岳エリア(茅野市・原村)において、他社では取り扱いが難しい空き家や放置物件の再生・買取に力を注いでいるのは、「不動産を通じて故郷に貢献したい」という想いがあるからです。Youtubeでも、相続した空き家・土地・畑などの処分や活用に関する役立つ情報を発信しています。地元出身者ならではのネットワークと専門知識を活かし、皆様の「空き家」にまつわる不安を解消し、次世代へつなぐお手伝いをいたします。










